アルコール依存症克服ガイド

上下関係にしばられる理由

突然ですが、
「なんとなく、この人ってつきあいづらいな」
「この人と一緒にいると息が詰まるな」
…と感じるタイプの相手っていませんか?

 

筆者は、よくそういうタイプの人に目をつけられます(笑)。
こちらとしては、
「なるべく避けたいな」、「あまりお近づきにはなりたくないな」
と思っているのに、相手に妙に気に入られてしまったり、
執拗にお誘いを受けたり…。

 

なぜ窮屈さを感じるかというと、彼女(彼)らはきまって
“上から目線”か“妙にへりくだる”タイプのいずれかだからです。
同い年だろうが、自分のほうが後輩だろうが、先輩だろうがお構いなし。
彼女たちには、“縦”の人間関係しか見えていないため、
「相手にしがみつくか?」、それとも「相手をコントロールするか?」
という二者択一的な考え方の間で揺れているのです。

 

これが、「対人依存」の心理です。

しがみつきたい、コントロールしたい

「相手にしがみつきたい」という気持ちと、
「相手をコントロールしたい」という気持ち。
いずれも、相手との関係は対等ではなく、
「上下関係」であることが特徴的です。

 

ではなぜ、対人依存の人は
このようなゆがんだ人間関係を築こうとするのでしょうか。
その背景には、やはり「安心を得たい」という原初的な欲求があります。

 

自分よりも上位の人にしがみつこうとする背景には、
「自分よりも上位の人に認めてもらいたい」「かわいがってもらいたい」
という気持ちがあります。

 

逆に、自分よりも下位の人をコントロールするのは、
「自分よりも弱い立場の者の世話をする自分」を誰かに認めて欲しい
という思いがあるからでしょう。

 

2つに共通しているのは、
「厳しい現実の世界に受け入れてもらえなかった」という
不安や不満が自分以外の“人”に向いているということ。
人に頼ることで不安感を解消しようとしたり、
人をコントロールすることで
万能感を抱いたり傷ついた自分を癒したりしているのです。

他人を利用して自分の安心を得る

自分の不安感をごまかすために、他人を利用して寂しさを紛らわす。

 

…聞いただけで「なんだかあまり関わりたくないタイプ」という
イメージを持つかもしれませんね(笑)。
確かに、健常者(対比のためにあえてそう呼ばせてください)の目には、
対人依存症の人は、
ちょっと面倒くさい人として映ってしまうかもしれません。

 

当然、その関係は長続きしません。
対人依存の傾向があるAさんがどんなにBさんに依存しても、
相手がその関係を望まなければ
そこでその関係はストップしてしまいます。

 

Bさんが自分を受け入れてくれないとなると、
Aさんは満足できませんよね?
するとどうなるか…。

 

驚くべきことに、Aさんは、まるで赤ちゃんのように退行してしまい、
人から世話をしてもらうことで安心感を得ようとするのです。

 

ちなみに、逆に相手に世話を焼きたがる対人依存の方もいます。
相手の世話を焼くことで相手をコントロールした気分になり、
そこに自分自身の安心や満足感、喜びを見出すわけです。
つまり、他人を利用して自分の安心を得ることに他ならないという…。

 

また、一つ怖いのは、
対人依存から「共依存」に転じてしまう可能性があるということです。
世話をすることで安心を得ようとする「世話型依存」の人と、
人から世話をされることで安心するタイプの人とが出会うと、
お互いにもたれ合って一緒に堕ちていく
「共依存」の状態に陥る可能性があります。

 

お互いに気持ちの良い状態を築けるわけですから、
離れたくても離れられないという関係に…。
逃げようという強い意思があれば容易に逃げられるのに
その場を動こうとしない、緩い首輪につながれた犬。

 

対人依存は、ちょうどそんな状態なのです。

 

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